2019年 08月 13日
天気の子 感想 |
天気の子を見て来たので感想でも。
まぁ正直なところこの映画の評価、自分の中ではあまり高く無い。
が、そもそも自分は新海作品についてはいつも大体50~60点ぐらいの評価なので特別今回が悪い評価というわけでは無いのですが、
今回はちょっと特別低く感じた具合です。
さて、今回特別自分の中で点数が低い原因ですが、世間的に言われている「オチ」が原因では無い。
そもそも今回はセカイ系の作品。セカイ系である以上終わり方に多少のシコリは残る物であり、逆に言えばそれがセカイ系の醍醐味だろうと自分は思っている。
だいたいセカイ系のオチといえば
①大切な人より世界を取るルート(ロウルート)
②世界より大切な人を取るルート(カオスルート)
③第三の選択肢を探すルート(ニュートラルルート)
の3つに大分されるもんである。
近年の話のトレンドで行くと③の話が多い傾向になると感じている。(当社比)
今回は②を取る話だったので、あまりセカイ系に慣れていない人達には賛否があったのかもしれない。
昔セカイ系が流行った時は、①が流行ると②の作品がカウンターのように出てくる。
②が流行れば①が出てくる・・・といったイタチごっこのような関係だった気もするなぁ・・・
閑話休題
というわけで、いわゆるセカイ系に対して拒否感の無い自分だが、評価がそこまで高くないポイントが別に2点ある。
・話のテンポが速すぎて見てるこっち側の気持ちがついて行かなかった
・話の本題がブレたように感じ取れた
この二つだ。
■話のテンポが速すぎて見てるこっち側の気持ちがついて行かなかった
これはタイトルそのままである。
なんせ二時間の映画なのでテンポがおそろしく速い。
セカイ系黄金ルートの
「主人公(それなりに悩みを持った)登場」→「ヒロインと運命的な出会い」→「ヒロインと育まれる特別な日々」→「世界の真実に気づく」→「世界とヒロインとの選択」→「ラスト」
この流れがすごい勢いで進む。最早ダイジェスト映像ではないかというぐらい。
これは個人的な思いなのだが、セカイ系の重要な場所は「ヒロインと育まれる特別な日々」をどれだけ丁寧描くかが重要と思っている。
ここを丁寧にする事で見ている側も感情の置き所が分かってくる。
分かってくると「世界とヒロインとの選択」の高揚感が変わる。
そうなると「ラスト」の選択肢がどちらであろうともカタルシスを味わえるのではないだろうか。
自分なんかは、ここをトントントンっと速足で進めすぎると「なんか劇中のキャラだけが盛り上がってるな」と感じてしまうのである。
これが自分の中で評価が高くなかった理由の一つである。
正直2クール・・・いや3クールぐらいのアニメだったらすごい良い出来になったのでは?と思っている。
■話の本題がブレたように感じ取れた
これはあくまで自分が感じ取った「話の本題」だが、これが最後まで気になってしまった。
この映画は、主人公がヒロインと「晴れ」を提供している日々が中盤の山場なのだが、この時の主人公の独白が『天気というのは不思議なもので晴れであれば人の心が明るくなる(要約)』的なセリフがあった。
これを聞いて、ああ今回の主題は「晴れという天気の重要性」である事を第一に置いたか、と思っていた。
しかし結局のところ主人公は最後ヒロインを取ったことにより世界(東京のみ?)から「晴れ」の概念は消えたのだ。
まぁ、主人公としては話を通して「晴れ」よりも「ヒロイン」を取るという気持ちに切り替わったのだろう。
それは良い。話を通じてキャラクターの心持が変化するのも物語の醍醐味である。(テンポ速すぎて変化のキッカケはよくわからんかったけど)
ただこれによって「晴れの重要性」を説いた中盤の意味が薄れた気がする。
ここを本題と思って見てしまった自分の落ち度かもしれんが、この辺の整理がつき難い話と感じ取ってしまった。
まぁ、これも結局テンポの速さに起因しているので「話のテンポが速すぎて見てるこっち側の気持ちがついて行かなかった」が根本の原因なのかな・・・
大きくは以上二点である。
細かいところをあげれば良いところ・悪いところはまだまだあるのですが、そういうのはガチンコ新海ファンの人達におまかせしましょう。
ただ悪い点だけあげて終わるというのも気分的にアレなので、今回の自分の評価アップポイント。
小栗旬の声優力、想像以上に高い。
今後渋いおっさん系の声優で仕事増やしていいと思うよ!!
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by rakuiti06
| 2019-08-13 15:09